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高校奨学生の声

「芸術の価値とは」ロックバンドのアルバムに共感

鹿児島県 2年 赤岩 晃(ひかる)

私は最近、日本の2人組ロックバンド「ヨルシカ」の「盗作」というコンセプトアルバムを買いました。主人公は既存の楽曲を組み替えて作曲をする人、いわゆる“音楽泥棒”です。このアルバムにはベートーベンの「月光」などクラシック作品が引用された曲なども収録されていて、男が音楽泥棒になった動機や、その男の生涯が記された小説も付属しています。

この作品を通して語られるのは、「芸術の価値はどこにあるのか」という問いです。

男は国際祭典のメインテーマの作曲を依頼されるほどの名声を得ました。けれど、それらの曲は街から漏れ聞こえる音をレコーダーに録音して周到に組み替え、時にはそのまま引用して組み上げたもの。そんな彼は「バッハの時代で作曲は終わっている、とどこぞの誰かがうそぶ いたそうだが、その通りだとすら思う」「たった十二音階のメロディが数オクターブの中でパターン化され、今この瞬間にもメロディとして生み出されている」などと主張しています。

近年、ある曲に対して「〇〇のパクリだ」などと言われるのをよく見聞きします。私も初めて曲を作って分かったのは、どんなに工夫をしてもよく聞く音だったり、リズムだったりと、何かに似たメロディになってなかなかうまく進まなかったことです。

彼はほかにも「作品と本人を同一視している」「こんなことをした人間だから、という理由で評価を下げて見てしまう」と言っています。彼の言う、「作品にのみ価値は宿る」という考え方にかなり共感しました。

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