2024年度の「海外語学研修」が、令和6年7月22日より3週間のプログラムがアメリカカルフォルニア州にて行われ、27名が参加しました。海外語学研修生たちのリポートを、3回に分けてお届けしております。それぞれの期待と不安を胸に旅立った27名の奨学生たち、たくさんのサポートのおかげで、充実した3週間ホームステイと研修を経て大きく成長し、貴重な時間を過ごすことができたことと思います。是非ご覧ください。
⚫︎愛知県 N.Mさん
私は3週間の海外語学研修で多くのことを学ぶことができました。まずはこの研修の企画、運営に携わった方々、寄付をしてくださっている全ての方々に、この場を借りて感謝を申し上げます。私の生活がたくさんの支援の上に成り立っていることを常に忘れず、これからも精進していきたいと思っています。
今回の研修で私が主に学んだことは、伝えようとする姿勢の重要さです。研修に参加する前は、英語を話すことに苦手意識を感じていました。それは、中学生のときに授業で発音を注意されたことがあり、人前で英語を話すことが怖くなってしまっていたからです。そんな自分を変えたくて、今回研修に参加しました。ですが、研修が始まったばかりの頃も、私の英語が伝わらなかったらどうしよう、発音が違っていたらどうしようという不安を抱えながら、ホストファミリーと会話をしていました。そんな中、ホストファミリーは、私の拙い英語を一生懸命理解しようとしてくれました。そして自信がなさそうな私に発音を教えてくれたり、ゆっくりと私が聞き取りやすいように話しかけてくれました。そうしてホストファミリーと会話できたことで、伝えようという気持ちがあれば相手も理解しようとしてくれるということに気が付きました。そのことは、私の自信にも繋がり、ホストファミリーと積極的に話せるようになっていきました。
私は今回の研修で、人と会話をする上で最も重要なことは言語力ではなく、伝えようとする姿勢だということを学ぶことができました。言語が違っても相手に伝えようとする姿勢、会話を楽しむ気持ちは全世界共通だと思います。これからは相手を理解し、相手に自分のことを理解してもらえるように伝えることを意識したいと思います。この研修をきっかけに、英語での会話だけでなく、日々の会話への姿勢についても見直したいと思うようになりました。
素敵な機会をくださり、本当にありがとうございました。
⚫︎千葉県 T.Mさん
研修を終え日本に帰ってきた感想を一言で言えば、それは「達成感」と「出会い」です。
今回、生活を共にしたホストファミリーは、言葉だけで意思の疎通を図ることは難しかったのですが、理解しやすい単語を探し、身振り手振りを交えて話してくれたので、家にいる時はストレスを感じることはありませんでした。外出先などでうまくいかないことがあり、落ち込んでいても、家に帰れば温かい笑顔で迎え入れてくれ、嫌なことも忘れることができました。私にピッタリのホストファミリーはこの家族しかいないと思えるほど、私の素が出せて楽しかったです。
今回の研修では多くのアクティビティがありました。一番思い出に残っているのはやはりディズニー・アドベンチャーです。日本とは違うアトラクションもあり、とても楽しかったです。しかし、楽しむだけに来たわけではないので、ディズニーのキャストさんに「写真を撮っていただけますか」「このアトラクションに行きたいのですが近道はありますか」など聞くことにチャレンジしてみました。その時も、もっと英語力があればと痛感しました。二つ目はビーチです。研修生全員で女子と男子に分かれ、ビーチバレーをしたり、友人たちと手を繋ぎ、波打ち際で波に打たれてずぶ濡れになったりと、素敵な思い出になりました。
3週間を通して、人との関わり方やコミュニケーションの取り方を学ぶ
と同時に、文化の違いに触れることができ、良かったです。たくさんの人のおかげで海外研修という一つの夢が叶いました。私も恩返しできるような人間になりたいです。今回の経験を活かし、成長した姿を見せられるよう日々努力していきたいと思います。
⚫︎岡山県 H.Mさん
私は、この3週間の語学研修に参加し、人生の中でとても貴重で良い経験をしました。アメリカでは、言語をはじめ文化や景色など日本とは違うものに触れ、ホストファミリーや研修生と多くの思い出を作れました。
英語レッスンでは、主に発音の練習をしました。英文が分かっていても、発音が違うと伝わらないことが多く、あらためて言語の難しさを感じました。最初、初めて会う研修生やホストファミリーとの3週間に不安や緊張を感じていましたが、研修生とはすぐ仲良くなり、ホストファミリーはとても温かく受け入れてくれました。ホストファミリーは私たちの拙い英語を一生懸命理解しようとしてくれたり、ゆっくり話してくれたり、毎日夜にトランプやゲームを誘ってくれるなど、とても優しく温かい家族でした。
屋外でのディズニーランドやドジャースタジアム、アウトレット、ビーチなどもアメリカならではの文化に触れ楽しむことができました。アメリカ人は多くの人が積極的に自己表現をし、他人でも友達のように接していて、とても素敵だと感じました。アメリカのどこに行っても楽しく、3週間はあっという間でした。
私は、今回の語学研修で多くの考えが変わりました。以前はあまり自分の気持ちを表現しなかったのですが、アメリカ人と交わり、自己表現をすることの大切さに気づきました。最初、研修の3週間がとても長いと感じていましたが、今ではもっとホストファミリーと過ごしたかったと思います。この3週間で多くの楽しいことも失敗したことも感じたことすべてを忘れず心に留めておきたいです。
また、この貴重な経験や学んだことを将来に活かしたいと思います。語学研修で出会ったホストファミリー、研修生、添乗員さん、アメリカで交わったすべての人々の出会いに感謝する気持ち、経験した一瞬の気持ちも忘れず、これからの自分の人生に繋げていきたいです。このような貴重な機会を作ってくださり、本当にありがとうございました。
⚫︎兵庫県 S.Mさん
初めての語学研修。私のホストマザーは3歳くらいまで私と同じ神戸に住んでいた日本人でした。台湾人のホストファザー、同年代のお兄ちゃん、10歳の妹、私のいちばん好きな猫のいる生活のスタートでした。夕食後にUNOをして遊んで過ごしたりしましたが、自分の時間を十分に与えてくださったので、自由に過ごすことができました。
ホストファミリーと過ごす休日では、新鮮な野菜や果物を売っているファーマーズマーケットに行きました。一面のラベンダー畑では沢山のラベンダーを摘んでドライフラワーにしました。サーカスを見に行ったときは日本で見た「アレグリア」と会場の盛り上がり方の違いにアメリカを感じました。夕食で食べた中華料理の小籠包がとても美味しかったです。メジャーリーグ観戦では大谷翔平選手を見ることができて光栄でした。ディズニーランドでは日本にはないカーズに乗れたこと、アメリカっぽいカチューシャを買ってチュロスを食べたり、とても楽しい時間でした。
あと2日で帰る頃、ホストファミリーとちゃんとコミュニケーションが取れていなかったかもしれないと反省して、帰る前日、お土産で持って行った筆で書き方を教えてあげたり、ホストファミリーのリクエストを書いたりしました。私からホストファミリーにひらがなで「ありがとう」の文字を書いてプレゼントしました。私は「ありがとう」の5文字が日本語のいい言葉だと思うからです。最後に少し心が通じ合ったような気がして嬉しかったです。さよならパーティで渡したお皿にも「ありがとうございました」と書いて花火を描きました。
こうして3週間の語学研修は終わりましたが、私もいつか人の役に立つ人になれるよう努力していこうと思いました。そしてこのような経験を与えてくださったことに心から感謝します。
ありがとうございました。
⚫︎東京都 H.Sさん
私は、今回の語学研修を通して様々なことを学ぶことができました。言葉が伝わらないということの大変さ、互いの文化についての理解、食文化や気候など、私には何もかもが新鮮でした。
アメリカに着いた初日は、かなり緊張していたのですが、家へ向かう道でホストマザーが積極的に喋ってくれたおかげですぐに緊張は解けました。家に着いてからも、ホストマザーが私たちのレッスンの先生だったということもあり、次の日の授業内容について教えてもらったり、授業で使用する日本についての資料の確認などを一緒に行いました。そうしていくうちに、打ち解けていきました。ホストファザーと娘さんともテレビでスポーツ観戦をする中で少しずつ距離が縮まっていき、スポーツに国境はないと実感しました。休日も様々な場所に行き、アメリカの生活様式を学ぶことができました。お店の店員さんも、笑顔で明るく接客してくれたことで、僕も笑顔で「Thank you!」と返すことができました。アメリカに行ってから感謝を伝えることが多くなったので、きっと、それもアメリカ人が普段から感謝を伝え合う光景を見ていたからだと思います。アクティビティも、メジャーリーグ観戦、ロサンゼルスやサンディエゴツアー、ディズニーランドなど日本では経験できないようなことばかりで、とても有意義な時間でした。
3週間という長いようで短い期間で私は、3週間以上の価値がある時間を過ごせたと自信を持って言えます。それは今の私が語学研修前の自分よりも成長したという確信があるからだと思います。今回の経験を決して無駄にしないよう、これからも英語の勉強を続けたいです。
最後に、円安なども重なった中で、このような機会を用意してくださった交通遺児育英会の方々、ご支援してくださった方々、奨学生のみんな、その他このプログラムに関わったすべての皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
⚫︎長野県 T.Hさん
夏休み期間にアメリカで語学研修した経験は、私にとって非常に貴重で刺激的なものでした。異文化に触れ、言語を学び、さまざまな人々と交流することで、自分自身の視野が広がったと感じています。
まず、アメリカの教育に触れることができたのは大きな収穫でした。授業はインタラクティブで、学生が積極的に参加することが求められます。先生との距離が近くて、質問や意見を自由に述べることができる環境は、私にとって新鮮でした。特に、グループディスカッションなどを通じて、コミュニケーション能力やチームワークの重要性を実感しました。
次に差別を受けたことです。アメリカ滞在中に人種差別に遭遇した経験は、私にとって非常に衝撃的で、考えさせられるものでした。この出来事は、異文化交流の中での期待と現実のギャップを痛感させるものでありました。
まず、私が経験した人種差別は、直接的な言葉や行動として現れました。ある一部の場面で、私の外見や出身国に基づいた偏見を感じることがありました。その瞬間は非常に不快で、孤独感を覚えました。自分が受け入れられないと感じることは、語学研修の目的である異文化理解や交流とは真逆の体験でした。
この経験を通じて、私は人種差別が依然として根強く存在することを実感しました。アメリカは多様性を重んじる国である一方で、実際には多くの人々が偏見や差別に直面していることを理解しました。この矛盾は、私にとって大きな衝撃でした。
言語面では大きな成長を感じました。英語を使う環境に身を置くことで、リスニングやスピーキングのスキルが向上しました。最初は緊張していましたが、日常生活や授業を通じて徐々に自信を持てるようになりました。特に、ホストファミリーとの会話を楽しむことで、言語の壁を超える喜びを実感しました。
最後に海外語学研修に関わってくださったすべての人に感謝を伝えたいです。『ありがとうございました』
⚫︎鹿児島県 M.Sさん
アメリカでの3週間のホームステイは、私にとって非常に貴重な経験となりました。この期間、異文化に触れ、アメリカの生活様式や価値観を深く理解するとても貴重な機会を得ることができました。まず、アメリカの家庭文化についての理解が深まりました。私がホームステイした家族は非常にフレンドリーで、家族の一員として温かく迎えてくれました。アメリカの家庭では、夕食は家族全員で一緒に食事をすることが多く、その時間が家族の絆を深める重要な時間であることを実感しました。
次に、日常生活の中でアメリカの文化や習慣について多くのことを学びました。アメリカの食文化は、私が予想していたよりも多様で、地域ごとに特色があります。例えば、朝食ではパンケーキやベーコン、エッグスラットなどをよく食べ、昼食にはサンドイッチが一般的であることがわかりました。また、夕食には家族全員が集まって、バーベキューやイタリア料理など、さまざまな国の料理が楽しめるのが印象的でした。
さらに、アメリカの授業形式についても興味深い学びがありました。学校での授業や課外活動を通じて、アメリカの教育は生徒の自主性や創造性を重視していることがわかりました。授業ではディスカッションやグループワークが多く、生徒たちが積極的に手を挙げているのが印象的でした。
また、異文化交流を通じて、自分の価値観や視野が広がることを実感しました。アメリカの学生と仲良くなったことで、多様な価値観や文化を理解し、異なる視点から物事を考える大切さを学びました。彼らとの友情を通じて、自己表現や、個人主義を尊重するアプローチが自分の視野を広げる手助けとなりました。この経験で学んだことは、今後の人生や国際的な視野を広げる上でとても役立つと感じています。
⚫︎群馬県 M.Hさん
英語の授業は先生が優しくて、緊張せずに受けられたのが良かったです。ゲームを交えての授業で楽しむことができました。他のホストファミリーの高校生が授業の手伝いにきてくれて、僕たちとたくさん話してくれ、嬉しかったです。彼と一緒にバスケットボールとバレーボールもして楽しかったです。
ホストファミリーとの会話は難しくて、英語では言いたいことの半分くらいしか言えませんでしたが、どんなにゆっくりでもホストファミリーは待ってくれ、ゆっくりとわかりやすい英語を話してくれたので、なんとか意思の疎通はできました。初めのうちは、家や学校から一歩外に出て店員さんと話すと、聞き取りづらいし、理解されず、困ってしまいした。ですが、しだいに学校での授業やホストファミリーとの会話が良い練習になり、やがて外でも自信を持って話せるようになりました。
ホストファミリーが作ってくださるご飯がとても美味しかったです。日本のものではありませんでいたが、お米も1回食べました。ホストファミリーは家で夜ご飯を食べる時にアーメンと唱えていました。僕のホストファミリーはよく宗教の話をしていましたので、熱心なんだと思います。宗教以外に政治の話もたくさんしました。英語で政治の話をするのは難しかったし、知識がないので自分の考えがなく、一方的に聞くだけになってしまった時は、もっと知識があればお話しできるのになと後悔しました。
今回日本のいろんな地方の友達ができたことがすごく嬉しいです。みんなとすぐ仲良くなれてずっと楽しかったです。日本ではなんでも1人でやればいいと思いがちでしたが、友達と一緒だと勇気も湧いてきて、1人だとできないようないろんなことを楽しめました。
アメリカで英語を学べたり、たくさんのことができ、とてもいい経験でした。最高の機会を設けていただきありがとうございました。
⚫︎兵庫県 U.Sさん
今回の語学研修はとても貴重で、一生忘れられないものになりました。3週間はあっという間に過ぎ、充実した毎日でした。ホストファミリーは本当の家族のように接してくれ、ショッピングやビーチ、知り合いの家でのホームパーティーなどいろいろな場所へ連れていってくれました。また、毎晩、一緒にパリオリンピックを観て応援しながら、たくさん会話をしました。自分の英語でコミュニケーションが取れていることがとても嬉しかったです。ホストファミリーの家には猫がいました。僕はペットが大好きで、しょっちゅう猫を撫で、ホストファミリーは餌やりを僕に担当させてくれました。そんな毎日を過ごしていると飼い猫は自然と僕の膝の上に座りにくるようになり、僕は猫からも家族だと認められたような気がして嬉しかったです。
また、異文化もたくさん体感しました。例えば、僕はアジアンショップで味噌汁を見つけ、ホストマザーに飲んでもらおうと買って帰りました。彼女は申し訳なさそうに味噌汁があまり好きじゃないと謝り、現地の定食屋で試したことがあるが、味が濃すぎて口に合わなかったと言って飲みませんでした。そこで、僕が代わりに飲みました(久々の日本の味は美味しかったです)。逆に後日、彼女が僕に出してくれたキャンディーは僕の口には合わず、正直に言うと、水で流し込みました。それでも僕は、好きじゃないと言うのは申し訳ないと思って、美味しい!と言いました。これはどちらが良いとか悪いとかではなくて、これこそが、はっきりと口にするかしないかの文化の違いなんだと感じました。
語学研修に一緒に行ったメンバーはみんな面白く、最高の仲間と出会えてアクティビティーを楽しめたことは、大きな財産となりました。僕は研修を通じ、新しい目標ができました。それは将来、海外で働くということです。そのような機会を作ってくださった育英会や関係者の方々に感謝します。ありがとうございました。